ティリンスティーリンス)(古代ギリシア語:Τίρυνς、現代ギリシャ語:Τίρυνθα、Tiryns)は、ギリシャのペロポネソス半島アルゴリス県にあるミケーネ文明の遺跡。ナフプリオの北に位置する。現代ギリシャ語から、ティリンタとも呼ばれる。

  • 地図(Coordinates): 北緯37度35分58秒 東経22度47分59秒

ティリンスは青銅器時代の始まりから7,000年の間、丘砦だった。絶頂期は紀元前1400年から紀元前1200年の間だった。最も注目に値するのは、宮殿、サイクロプ式(en:Cyclopean masonry。巨石積み)の地下道、それにホメロスに「強力に囲まれたるティリンス」」と添え名させた壁である。古代、ティリンスはヘラクレスにまつわる神話と結びついていて、いくつかの言い伝えでは、ティリンスがヘラクレスの生地であるとされている。

有名なティリンス宮殿のメガロン(en:Megaron。大広間)は大きな客間と主室を有している。主室は、右壁に玉座があり、中央には屋根を支える4つのミノス様式の木の柱と、その柱に囲まれた炉床がある。メガロンの3つの壁のうち2つは、後のアルカイック時代(en:Archaic period in Greece。紀元前750年〜紀元前480年)に作られたヘーラー神殿に取り込まれた。

ティリンスはミケーネ文明の終わり(紀元前1150年頃)になって衰退し、2世紀にパウサニアスが訪れた時には既に寂れ果てていた。1884年から1885年にかけて、ハインリヒ・シュリーマンがティリンスを発掘し、現在もドイツ・アテネ考古学研究所(German Archaeological Institute at Athens)およびハイデルベルク大学による発掘が続けられている。

ティリンスは1999年に世界遺産の1つに登録された。

脚注


ミケーネ文明とは?場所や滅亡時の謎など。エーゲ文明後期 世界雑学ノート

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