西福寺(さいふくじ)は、奈良県奈良市奈良阪町にある浄土宗の仏教寺院。山号は迎接山。
歴史
寺伝によれば貞観年間(859年 - 876年)に円仁が創建したというが、詳細は不明である。 古くは天台宗に属したようであるが、後に浄土宗となった。 慶長9年(1604年)に弁誉明雄が中興した。
善城寺・薬師堂
『平城坊目考』『大和名所図会』などでは奈良坂村(現奈良阪町)内に、西福寺に加え善城寺、薬師堂の、合わせて3寺があったことが残されている。 善城寺は西福寺西方数百メートルの場所に跡地とされる場所が伝わるが、『大和名所図会』によると善城寺には阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来が本尊として安置されていたと伝わっており、今日西福寺に安置されている諸仏は善城寺にあったものとされる。 また今日の西福寺の薬師堂も、かつてあった薬師堂の名残との見方もある。
文化財
- 重要文化財
- 木造阿弥陀如来立像 - 本尊。木造漆箔の来迎像で平安時代後期に造られた。
- 木造釈迦如来坐像
- 木造薬師如来坐像
- 木造阿弥陀如来坐像
- 木造不動明王立像・毘沙門天立像
以上の各像はいずれも平安時代後期の作。 本尊以外の5体は収蔵庫に安置されている。
境内
堂宇
- 本堂
- 薬師堂 - 薬師如来を安置している。
- 地蔵堂 - 地蔵菩薩を安置している。
- 鐘楼 - 梵鐘は1945年(昭和20年)の鋳造。
名号石碑
- 南無阿彌陀佛の名号石碑 - 山門外南側にある。元禄15壬午年(1702年)の銘あり。
- 梵字の名号石碑 - 南無阿彌陀佛名号石碑の西隣にある。
- 念仏講奉納の名号石碑 - 慶長14年(1609年)2月奉納。
その他
- 灯篭 - 文政11戊子年(1828年)の銘あり。
- 地蔵菩薩石像 - 文禄16年(1602年)の銘あり。
アクセス
- JR奈良駅または近鉄奈良駅から奈良交通バス乗車、奈良阪バス停下車。
ギャラリー
出典
関連項目
- 奈良きたまち
- 奈良豆比古神社 - 隣接する神社。
外部リンク



